ココがポイント
  • 2025年度の年金は前年度より1.9%
  • 「マクロ経済スライド」の仕組み
  • 老後資金の準備方法

2025年度の年金は前年度より1.9%の増額となっています。来月1月には2026年度の金額も公表されることから、注目が集まります。

「年金額が増える」のは喜ばしいことですが、果たして年金のみでゆとりのある老後生活は送れるのでしょうか。

今回は年金額を決める際に適用される「マクロ経済スライド」の仕組みと、今の年金の平均額について詳しくみていきたいと思います。

老後資金の準備についても紹介していくので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 2025年度の年金は1.9%増額。3年連続でプラス改定へ

2025年度の年金額の例は、次のとおりとなっています。

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。

※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

厚生年金の23万2784円は夫婦の合計額であり、「40年間会社員として月額45万5000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「専業主婦(もしくは自営業など)だった妻の国民年金」が想定されています。

ちなみに、2024年度(令和6年度)は国民年金が6万8000円、厚生年金が23万483円でした。今年で3年度連続のプラス改定となります。

来年の年金額に期待が寄せられるところですが、年金が増額されでも実際には年金額が目減りしている側面もあるのです。次章でその理由について解説します。