5. 「年金振込通知書」はどこを見ればいいの?
「年金振込通知書」には、主に以下の内容が記載されています。
- 年金支払額
1回の支給額(税引前・控除前の総支給額) - 介護保険料額(※)
年金から特別徴収される介護保険料の金額 - 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)(※)
健康保険関連の特別徴収額 - 所得税額および復興特別所得税額
国税として差し引かれる金額(源泉徴収分) - 個人住民税額および森林環境税額(※)
前年所得に応じて決定される地方税(市区町村) - 控除後振込額
実際に受け取る手取り年金額(差し引き後) - 振込先
支給先金融機関の口座情報 - 前回支払額
前回(4月など)の振込額との比較が可能
※住民税・保険料は市区町村が決定するため、地域ごとに差があります。
受け取る年金額や、差し引かれる税金・社会保険料などが詳しく記載されています。
実際に振り込まれる金額は「控除後振込額」となりますが、どのようなお金が差し引かれているのかを確認しておくとよいでしょう。
なお、通知書は例年6月上旬から中旬にかけて順次発送されていますが、在職中で5月分以降の年金が支給停止となる一部の方には、5月上旬に発送されています。
6. 年金の手取り額に影響する「税金」や「社会保険料」を確認しておきましょう
年金の支給額は、物価や賃金の変動に応じて毎年見直されます。
しかし、実際の手取り額に大きな影響を及ぼすのは「税金」と「社会保険料」です。
とくに、住民税や介護保険料などは6月に決定され、8月の年金支給分から反映されるケースが多いため「思ったより減っていた」「振込額が増えた」と変化を実感しやすい時期です。
こうした場合には、年金振込通知書を確認し、控除の内訳を把握することが大切です。
制度改正や所得状況に応じて手取り額は変動しますので、正しく理解しておくことで、将来の生活設計にも役立ちます。
参考資料
- 国税庁「高齢者と税(年金と税)」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 日本年金機構「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」(年金受給者用:はがきサイズ)
加藤 聖人