年金は「額面どおり」受け取れるとは限りません。
実際には健康保険料や税金などが差し引かれて振り込まれるため、想定より手取りが少なくなるケースもあります。
特に8月は控除額の更新時期にあたるため、受け取る年金額が変わる可能性があります。
年金から天引きされるお金の種類や仕組みを確認し、チェックすべきポイントを押さえておきましょう。
1. 年金は「天引き後の金額」が振り込まれる
公的年金は、原則として2か月に1度、偶数月の15日に支給されます。しかし、年金証書や通知書に記載されている金額がそのまま振り込まれるわけではありません。
実際に受け取れるのは、税金や社会保険料が差し引かれた「手取り額」です。
そのため、同じ年金受給額であっても、所得状況や加入している医療保険制度の違いによって、最終的な振込額は人によって異なります。
年金生活において「思ったより少ない」と感じる原因の多くは、この控除による差額にあります。
したがって、額面と振込額の違いを正しく理解しておくことが重要です。
1.1 「特別徴収」とは?
年金から差し引かれる仕組みは「特別徴収」と呼ばれ、給与所得者が勤務先を通じて税金や社会保険料を天引きされる仕組みと同じです。
具体的には、介護保険料や後期高齢者医療保険料、住民税などが年金の支給段階で差し引かれ、残りが指定口座に振り込まれます。
例えば、名古屋市で公的年金からの特別徴収となる人の条件は以下のとおりです。
受給者が自分で納付の手続きを行う手間が省ける一方、通知書をよく確認しないと「なぜ減ったのか」が分かりづらいという側面もあります。
特別徴収は、一定の条件を満たした受給者に自動的に適用される仕組みであり、対象外の場合は「普通徴収」として納付書や口座振替による支払いが必要になります。