4. 後期高齢者医療制度の窓口負担割合が見直された理由
後期高齢者医療制度は、少子高齢化社会の中で医療保険制度を維持するために施行された仕組みです。
75歳以上の後期高齢者の医療費は、およそ50%を公費負担、さらに40%が現役世代の支援金で賄われています。支援金は、国民健康保険や被用者保険の加入者の方が支払う保険料の中に含まれているものです。
たとえば令和4年の後期高齢者の総医療費は18.4兆円で、そのうち現役世代の支援金は6.9兆円でした。
そのようななか、2022年以降に団塊の世代の後期高齢者入りが進む中で、高齢者の医療費が増大し、現役世代の負担が重くなることが懸念されました。
そこで、経済的余力のある高齢者に医療費の一部を負担してもらうために、現行の制度が実行されています。
5. まとめにかえて
2025年9月30日をもって、後期高齢者医療制度の自己負担2割の方を対象にしていた「配慮措置」が終了します。
これにより、10月以降は本来の自己負担額を支払うことになり、窓口での医療費が増える可能性があります。
今後の医療費負担に備えて、制度の詳細や支援策について早めに確認しておくことが大切です。
参考資料
中本 智恵
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員/金融ライター
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて主にリテール営業に従事した。とくに銀行では国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなどの販売に携わり、全国表彰歴あり。金融機関勤務後は経験を活かし、株式会社モニクル傘下の株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。
現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修をおこなっている。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。(2025年8月25日更新)
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)