3. 「運用利回り」はどのくらい資産評価額に影響するの?
先ほどは年率3%の運用でシミュレーションしましたが、実際の運用は利回りがどうなるか事前にわかりません。
では、運用利回りによってどのくらい資産評価額に影響がでるのでしょうか。
年率1~7%で「月5万円」の積立投資を20年間続けた場合でシミュレーションしてみましょう。
シミュレーションの結果は以下の通りです。
3.1 【運用利回り別】「毎月5万円」の積立投資を20年間続けた場合の資産評価額
運用利回り:資産評価額(利益部分)
- 年率1%:1328万円(128万円)
- 年率2%:1474万円(274万円)
- 年率3%:1642万円(442万円)
- 年率4%:1834万円(634万円)
- 年率5%:2055万円(855万円)
- 年率6%:2310万円(1110万円)
- 年率7%:2605万円(1405万円)
*元本は1200万円
年率1%の場合と年率7%の場合とでは、資産評価額に約2倍もの差が出ます。
そのため、運用利回りはとても重要です。
どの商品に投資するのか、事前にリスクや過去の利回りなどを把握しておきましょう。
なお、日本の年金保険料の一部を運用するGPIFの過去24年間の、実質的な運用利回りは年率約4%です。
GPIFは国内外の債券や株式に分散投資してできる限りリスクを低減しつつ成果を目指す運用方針のため、一つの目安にしてみてください。
4. 将来に向けた「お金の準備」について考えてみましょう
いかがでしたでしょうか。今回は、金融庁のつみたてシミュレーターをもとに「月5000円~月10万円の積立投資」を20年間続けたらいくら資産が増えるのか、年率3%でシミュレーションした結果をご紹介しました。
また、年率1~7%で「月5万円」の積立投資を20年間続けた場合もシミュレーションしました。
新NISAでの積立投資は、資産運用の期間を長く確保するほど複利の効果が期待できます。
ただし、利益が期待できるだけでなく、価格変動リスクなどがありますので「金融商品ごとに異なる特徴」や「経済情勢」などをよく確認しておくことが大切です。
家計や資産全体のバランスを考えたうえで、将来に向けたお金の準備について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
苛原 寛