4. 50歳代から老後資金を作る4つのポイント
50歳代は、退職後の生活が現実味を帯びてくる時期です。この時期から老後資金を準備するための重要なポイントを4つご紹介します。
4.1 固定費の見直しで投資・貯蓄に回す資金を確保
まずは、毎月必ず発生する固定費を見直すことから始めましょう。
生命保険、通信費(スマホ代)、車の維持費など、無駄な支出がないかを確認し、削減した分を投資や貯蓄に回すことで、効率的に資金を増やすことができます。
4.2 投資は長期・分散・積立を基本に
50歳代からでも、資産運用の効果は十分に期待できます。特に重要なのは、以下の3つの原則です。
- 長期:10年以上の時間をかけて、複利の効果を最大限に活かします。
- 分散:投資対象を特定の地域や商品に集中させず、国内外の複数の資産に分けてリスクを軽減します。
- 積立:毎月一定額を積み立てることで、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことができ、平均購入単価を抑える効果(ドルコスト平均法)があります。
4.3 年金の受給見込み額を確認して不足額を把握
老後の生活資金の中心となるのは公的年金です。
日本年金機構の「ねんきんネット」などを利用して、将来受け取れる年金額を把握しましょう。
その上で、ご自身の理想とする生活を送るためにどれくらいの資金が不足するのかを明確にし、具体的な目標額を設定することが大切です。
4.4 健康管理も立派な「資産防衛」
医療費や介護費用は、老後の家計を圧迫する大きな要因です。
日頃から健康に気を配り、病気にならないようにすることは、将来の医療費を抑え、お金を使わずに済むという立派な「資産防衛」と言えます。
適度な運動やバランスの取れた食事を心掛け、健康寿命を延ばすことも、豊かな老後を送るための重要な準備です。
5. まとめにかえて
老後資金づくりは決して「遅すぎる」ということはありません。
50歳からでも、計画的に行動すれば将来の不安を大きく軽減できます。
まずは、家計簿をつけて現在の収支を正確に把握することから始めてみましょう。
そして、年金制度や公的な支援策について学び、ご自身に合った具体的なプランを立てることが大切です。
大切なのは、今からできる小さな一歩を踏み出すことです。
参考資料
- 生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」
- 生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」
- 厚生労働省「令和4年度 生涯医療費」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
和田 直子