3. 将来のために年金制度の見直し

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」が成立しました。この改正の主な目的は、多様な働き方やライフスタイルに対応し、シニアの生活安定を図ることです。

3.1 主な改正内容

改正のポイントは多岐にわたりますが特に注目すべきポイントを解説します。

①社会保険の加入対象の拡大

中小企業で働く短時間労働者も厚生年金に加入しやすくなりました。これにより、将来の年金額増加につながります。

②在職老齢年金の見直し

働きながら年金を受け取る人が年金を減額されにくくなりました。これにより、より長く働きやすくなります。

③遺族年金の見直し

遺族厚生年金では「男女差の解消」が一番の見直しポイントといえるでしょう。また、子どもが遺族基礎年金を受給しやすくなります。

④保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を将来受給できることにつながります。

その他、iDeCo(イデコ)の加入年齢上限引き上げなど、私的年金制度の拡充も含まれています。

今回の改正は、単に年金制度を変えるだけでなく、私たちの働き方やキャリアプランが将来の年金受給額に直結することを改めて教えてくれています。人生設計を考える上で、公的年金制度の仕組みを理解することが、ますます重要になっています。