老後、公的年金だけで全ての生活費をまかなえる高齢者世帯はどれくらいいると思いますか?
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金を受給する高齢者世帯のうち、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯は43.4%。
つまり、約6割の世帯は公的年金だけでは足りず、何らかの収入や資金を補って生活している実態が明らかになっています。
なお、前年の所得が一定額に満たないなどの要件を満たす年金受給者は、年金生活者支援給付金の対象となります。
2024年3月末時点の老齢年金生活者支援給付金の平均支給額は「月額4014円」。ただし、給付額は現役時代の国民年金保険料の納付状況により決定するため個人差があります。なかには年間で10万円近くを受け取る人も。
本記事では、老齢年金生活者支援給付金について、制度の内容や支給要件、給付額、申請方法について解説していきます。給付額の目安表も掲載していますので、参考にご覧ください。
1. 「年金生活者支援給付金」って何?
「年金生活者支援給付金」の支給要件
「年金生活者支援給付金」は、低所得の年金受給者の生活を支援するための給付金制度で、その財源の一部には消費税率の引き上げ分が充てられています。
この給付金は、年金に上乗せして2カ月ごとに支給され、受給している年金の種類に応じて3種類に分かれています。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
ここでは、シニア世帯の生活に関係が深い「老齢年金生活者支援給付金」の支給条件について解説します。