2.2 その他の経費の考え方
その他の経費について、やみくもに節約方法を考えるよりも、自身の世帯の現状把握を第一のステップとすることをおすすめします。
現状の生活費として、どこにいくらの出費がかかっているのか、平均と比較して割合としてどの程度乖離があるのかを確認することが大切です。私たちは「なんとなく」の感覚で家計を捉えがちですが、実際に数字で見ると想像とは違う結果に驚くことも少なくありません。
具体的な把握方法
家計簿をつけていない場合は、まず家計簿をつけることから始めましょう。1ヶ月あたりどの費目にどれだけの出費をしたのかを目視で確認できるようにすることが重要です。スマホアプリやエクセルを活用することで、手間や負担なく続けることができるはずです。
目標設定の重要性
現状把握ができたら、収支のバランスを考えて節約の必要性や方法を模索していくのが望ましいでしょう。ここで大切なのは、明確な目標設定です。
いくら節約をすればいいのかわからないまま節約を進めると、どのくらい頑張ればよいのかがわからず、生活自体が苦しくなったり、つまらなくなったりしてしまいます。
「毎月〇円の貯金を目指す」「〇〇費をいくらまで減らす」など、具体的な目標があれば節約にもモチベーションが生まれます。
節約は生活の質を下げるためではなく、より充実した将来のために行うものです。無理なく続けられる範囲で、賢く家計管理をしていきましょう。
3. まとめにかえて
さて、ここまで高齢世帯の最新の貯蓄・支出の状況を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。「貯蓄3000万円」という世帯の割合に、少し気が遠くなったり、逆に安心したりと、感じ方は人それぞれだったかもしれません。
しかし、最も大切なのは平均と比べることではなく、自分たちにとっての「心地よい暮らし」をデザインすることです。
統計の平均値はあくまで参考として、まずはご自身の世帯の「収入」「支出」「貯蓄額」をきちんと把握すること、その数字に基づいて自分たちに合った老後の生活を設計していくことこそが、将来の安心につながっていきます。
まずはご自身の世帯の現状を確認していくことからはじめてみましょう。そこから、豊かなセカンドライフ設計がスタートできるはずです。
参考資料
斎藤 彩菜