2. 【老後生活費の実態】65歳以上の無職夫婦世帯「消費支出の平均額はいくら?」

総務省統計局の「家計調査報告_家計収支編(2024年)」によると、65歳以上の無職夫婦世帯の消費支出の平均額は、月々約25万6000円となっています。支出の内訳は以下の通りです。

  • 食料費:29.8%
  • 交通・通信費:10.8%
  • 教養娯楽費:9.9%
  • 光熱・水道費:8.5%
  • 保険医療費:7.2%
  • 住居費:6.4%
  • 家具・家事用品費:4.8%
  • 被服及び履物費:2.2%
  • その他費用:20.4%(うち交際費9.3%)

生活費はその人の価値観や生活スタイルによって大きく変わるため、この割合はあくまでも参考値です。ただ、老後に外で働くことが減り、家での生活が大きな時間を占める65歳以降の世代にとって、やはり大きな支出の割合を占めるのは統計結果でも約3割の支出を占める「食料費」です。

老後の生活費の中でも、特に金額が大きく、かつ節約の工夫ができる項目として、「食料費」について詳しく見ていきましょう。

2.1 食料費を抑えるコツ

この統計による「食料費」とは、家計が支出する食料品や外食にかかる費用の合計を指しており、食材の購入だけでなく、外食やコンビニエンスストアでの飲食物の購入なども含まれます。

食料費は統計によると消費支出全体の約3割にのぼり、家計支出の中で最も大きな割合を占めています。平均的に大きな割合を占める費目ではありますが、世帯による差が開きやすい部分でもあり、節制を意識することで支出を大きく減らすことも可能です。

食費を楽しみながら抑えるには、例えば家庭菜園を始めてみるのも一つの手です。ベランダのプランターでハーブや香味野菜を育てるだけでも、買う頻度を減らせます。 老後生活では時間に余裕ができるため、これまであまり足を運ばなかった大型スーパーや産地直売所を開拓してみるのも、気持ちを転換させるきっかけとなります。

レシピを見ながら大容量の食材を上手に使い切る計画を立てたり、旬のものを安く手に入れたりするプロセスは、節約効果だけでなく現役を退いた生活に新たな張り合いをもたらしてくれるはずです。食事は毎日のことであるため、節約をゲーム感覚で捉え、楽しみながら工夫することが継続のコツになります。