3. 「106万円の壁」撤廃で何が変わる?影響と課題
この給料格差の解消に向け、大きな影響力を持つのが、社会保険の適用拡大による「106万円の壁」撤廃です。いわゆる「106万円の壁」とは、社会保険の加入要件を避けるために、年収を調整して働く人が多かった状況を指します。
しかし、今回の法改正により、段階的に企業規模や賃金の条件が撤廃され、将来的には、週20時間以上働く人は社会保険に加入できるようになる予定です。これにより、短時間労働者でも厚生年金や健康保険の保障を受けられ、将来の年金額の差も縮小されることが期待されています。
今まで収入を抑えていた人が働き方を見直すことで、実質的な賃金格差の縮小につながる可能性もあります。制度の移行は段階的に進められ、2029年までに個人事業所も含めて対象が広がる予定です。
ただし、社会保険料の自己負担が発生するため、手取りが減ると感じる人もおり、制度への理解と周知が今後の課題となります。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)