所得が少ない年金受給者を支援する目的で、政府は「年金生活者支援給付金」という制度を設けています。
この制度は、老齢年金の受給者に限らず、遺族年金や障害年金を受け取っている方も対象となる場合があります。
本記事では、その中でも「遺族年金生活者支援給付金」に焦点を当て、対象者の条件や支給額の目安について詳しく紹介します。
1. 「年金生活者支援給付金」とは?
年金生活者支援給付金は、年金やその他の収入が少なく、生活が困難な高齢者世帯を主な対象に支給される制度です。
この給付を受けるには、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」のいずれかを受給していることが前提条件となります。
ただし、各年金を受け取っているだけで自動的に対象になるわけではなく、その他すべての支給要件を満たしている必要があります。
ここでは、遺族年金を受給している方が対象となる可能性がある「遺族年金生活者支援給付金」について、その受給条件を詳しく解説します。
1.1 「遺族年金生活者支援給付金」の対象者は?
そもそも「遺族年金」とは、国民年金または厚生年金の加入者が亡くなった際に、その家族が生活の支えとして受け取れる年金です。
「遺族年金生活者支援給付金」は、国民年金または厚生年金の加入者が亡くなった後、その遺族が、以下のすべての条件を満たしている場合に支給されます。
- 遺族基礎年金を受けている
- 前年の所得額が「472万1000円+扶養親族の数×38万円※」以下である
※遺族年金などの非課税収入については、年金生活者支援給付金の支給判定に用いる所得には含まれません。
※同一生計の配偶者が70歳以上または老人扶養親族に該当する場合は控除額が48万円、特定扶養親族や16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は控除額が63万円となります。
次章では、2025年度における「遺族年金生活者支援給付金」の給付基準額について確認していきましょう。