たとえば国家財政が今より逼迫し、国債の償還に対する不安が高まると、インフレが起こると同時に金利が上昇します。いわゆる「悪い金利上昇」が起こるわけです。その際、変動金利を選択しているとローンの支払負担は大幅に増える可能性があります。

変動金利で借入をしている人は、「金利が上がりそうになったら固定金利に切り替える」と言うのですが、変動金利が少し上がったタイミングでは固定金利は大幅に上がっているはずなので、たとえ大企業の財務担当者でもその借り換えは非常に難しいです。

ましてや、日常的に金利をウォッチしているわけでもない個人の方が金利上昇に気付いたときには、既に手遅れになっている可能性が極めて高いでしょう。

4. サラリーマンには転勤がある

「マイホームを買った瞬間を狙っていたかのように、転勤になった」という話をよく聞きます。まあ多くは偶然の一致であり、半分以上は都市伝説のようなものですが、人事部から見ると「マイホームを買った今、この人はよほどのことがない限り会社を辞めないだろう」という安心感があるのも事実でしょう。

転勤すると、せっかくのマイホームに住めなくなります。では誰かに貸し出そうとしても、物件自体が賃貸を前提に作られていないので、すぐに入居者が見つからなかったり、賃料が低めになってしまいがちです。単身赴任をするとしても、転勤先での賃料も発生しますから、支払負担が重くなります。

転勤になった結果マイホームを売却してしまう知人の事例を目にすると(複数知っています)、いたたまれなくなります。なぜそんなに発生する確率の高いケースすら想定せずに、何千万円もの消費をしてしまうのだろうか、と。