4. 【おひとりさま世帯】70歳代・単身世帯の貯蓄額はどれくらい?
参考までに、70歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額の割合を、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」から確認していきましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
70歳代・おひとりさま世帯における貯蓄額の割合は、以下のとおりです。
4.1 「70歳代・単身世帯」の貯蓄割合
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
70歳代のおひとりさま世帯では、「貯蓄ゼロ(金融資産を保有していない)」という方が全体の27.0%にのぼります。
一方で、貯蓄が1500万円以上ある世帯も26.7%と、ほぼ同じ割合となっています。
4.2 「70歳代・おひとりさま世帯」の貯蓄額(平均・中央値)
- 平均値:1634万円
- 中央値:475万円
また、貯蓄額の平均は1634万円、中央値は475万円となっており、両者の差が大きいことからも、資産の多い人とそうでない人の間で二極化が進んでいることがうかがえます。
こうしたデータを見ると、十分な資産を持っている人ばかりではないという現実が見えてきます。
だからこそ、老後に向けた備えは、できるだけ早い段階から考えておくことが大切だと言えるでしょう。
5. 老後も安心して暮らすために
今回は、日本における借家の家賃の推移や、高齢者世帯の住まい事情について見てきました。
高齢の単身世帯では、約32.2%が借家で暮らしており、老後も賃貸住宅で生活する方が一定数いることが分かっています。
一方で、借家の平均家賃は5万9656円と、2018年から約7.1%上昇しており、家賃負担は年金生活においても無視できない課題です。
こうした状況を踏まえると、老後の暮らしに不安を残さないためには、家賃を含めた生活費に備えた資金計画や、長期的な資産形成が重要になってきます。
まずは、ご自身の老後に必要な費用をざっくりと試算してみることから始めましょう。無理のない範囲で、少しずつでも貯蓄の習慣をつけることで、将来の安心につながります。
参考資料
- 総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 東京都「あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方」
中本 智恵