猛暑が続く8月は、冷房代や水道光熱費が増えがちで、年金暮らしの高齢者世帯にとっては家計の負担が一段と重くなる季節です。
特に住まいにかかる費用、なかでも借家の家賃は毎月の支出の大きな割合を占めます。近年、全国の平均家賃は上昇傾向にあり、2025年6月時点での借家の平均家賃は月額約5万9656円と、2018年から約7.1%の上昇が見られます。
高齢者世帯の約8割は持ち家に住んでいる一方、単身世帯に限ると約3割が借家暮らしという実態もあり、家賃負担は無視できない課題です。
この記事では、日本における借家の家賃の推移や、高齢世帯の住まい事情について詳しく解説していきます。
1. 日本の平均家賃の推移【賃貸】
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」によると、借家(専用住宅)の1カ月あたりの平均家賃は5万9656円で、2018年から7.1%上昇しました。
種類別では、以下のようにすべてのタイプで家賃が増加しています。
- 公営の借家:2万4961円(7.6%増)
- 都市再生機構(UR)・公社の借家:7万1831円(2.8%増)
- 民営借家(木造):5万4409円(4.5%増)
- 民営借家(非木造):6万8548円(7.0%増)
- 給与住宅:3万7993円(11.6%増)
また、借家(専用住宅)の1畳当たり家賃は3403円で、最も高いのは民営借家(非木造)の4151円です。
次いで、都市再生機構(UR)・公社の借家が3633円、民営借家(木造)が2916円、給与住宅が2071円、公営の借家が1246円となっています。
1.1 1人当たりの畳数は増加傾向
1住宅あたりの延べ面積は近年大きく変わっていませんが、1人当たりの畳数(≒専有面積)は増加傾向です。
これは、一人ひとりがより広い間取りの住宅を希望する傾向にあることがわかります。年々、ゆとりのある住宅を希望する方が増えた結果といえるでしょう。
家賃の増加の背景には、物価上昇だけでなく、広い部屋を選ぶ方が増加した影響もあると考えられます。借家の家賃が増加傾向にあるなか、高齢者世帯における借家の割合はどれくらいなのでしょうか。次章で見てみましょう。