2019年から開始された「年金生活者支援給付金」という制度をご存じですか。
たとえ支給対象になっていたとしても、請求手続きを行わなければ受給できないため「受給し損ねない」よう注意が必要です。
年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金の種類によって「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類あります。
この記事では、年金生活者支援給付金をもらえるのはどんな人なのか、支給要件をご紹介します。
また、前年度より2.7%増えた「2025年度の給付額」や、請求手続きの方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 「年金生活者支援給付金」はどんな制度?
「年金生活者支援給付金」は、「老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類。
「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、年金に上乗せされる形で受け取ることができる給付金です。
2. 「年金生活者支援給付金」は3種類《もらえるのはどんな人?》
「老齢・障害・遺族」、3種類の年金生活者支援給付金には、それぞれの支給要件が設定されています。
3種類に共通する基準は、受給者本人の「前年の所得」です。老齢年金生活者支援給付金には、これに加えいくつかの要件が加わります。
2.1 「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
-
前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
「補足的老齢年金生活者支援給付金」とは?
老齢年金生活者支援給付金は、一定の所得以下の人を対象とした制度ですが、基準額をわずかに超えると給付を受けられず、基準額ギリギリで支給対象となる人よりも総所得が低くなるという問題がありました。
この不公平を解決するために設けられているのが「補足的老齢年金生活者支援給付金」です。この給付金は、所得が基準額を超えても一定範囲内であれば受給でき、所得が増えるにつれて給付額は減ります。
2.2 「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の対象者
- それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
- 前年の所得が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
各給付金において、上記の要件をすべて満たす場合、年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
3. 年金生活者支援給付金【2025年度の給付額】前年度より2.7%増
年金生活者支援給付金の給付額は、物価の動きを踏まえて毎年度改定されます。2025年度は、前年の物価変動率にもとづき、+2.7%の増額となりました。
3.1 【2025年度】年金生活者支援給付金の給付額
- 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5450円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに「保険料納付済期間や免除期間」に応じて、実際の支給額が計算されます。
4. 「年金生活者支援給付金」《請求手続き》の方法は?パターン別で紹介
公的年金本体と同じく、年金生活者支援給付金の受給には「請求手続き」が必要です。
支給要件を満たす人には、日本年金機構から請求書が届きます。
主な申請方法は、年金の受給状況によって以下の2つのパターンに分けられます。
4.1 パターン1:これから年金を受け取り始める人
年金を「これから」受け取り始める人が支給対象となった場合は、老齢基礎年金の請求書に給付金請求書が同封されます。
必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書と一緒に提出しましょう。
4.2 パターン2:既に年金受給中の人
既に年金を受給している方が新たに支給対象となる場合、毎年9月1日以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送られます。
請求書の指定された部分に必要事項を記入し、切手を貼って返送すれば手続きは完了です。
年金生活者支援給付金は、住民税非課税世帯への臨時給付金とは異なり、要件を満たす限り継続して受け取れる恒久的な制度です。
一度申請すれば2年目以降の手続きは基本的に不要となります。
ただし、所得が増えるなどして支給要件を満たさなくなった場合は、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止されます。
5. 年金生活者支援給付金は「恒久的な制度」です
ここまで、年金生活者支援給付金をもらえるのはどんな人なのか、支給要件をご紹介しました。
また、前年度より2.7%増えた「2025年度の給付額」や、請求手続きの方法についても解説しました。
年金生活者支援給付金は恒久的な制度です。
そのため、支給要件を満たしている場合、請求手続きを行うと継続して受給することができます。
支給日は、公的年金と同じ偶数月の15日です。
もし15日が土日祝日となる場合は、その直前の平日が年金生活者支援給付金の支給日となります。
公的年金に上乗せして支給されるため、物価高が続いているこのご時世において家計の負担を少しでも軽減させることが期待できます。
年金生活者支援給付金の支給対象になっている場合は、請求漏れがないよう気を付けましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額をお知らせする「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」の発送を行います」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
マネー編集部社会保障班