「なんで40歳から介護保険料を払わないといけないの?」「64歳までは給付対象の範囲が狭すぎる」など公的介護保険制度に関する様々な意見はもっともなことであり、多くの方が抱える率直な思いではないでしょうか。
筆者もファイナンシャルプランナーとしてお会いしたお客様との面談でこのようなことを聞かれたことは多々ありました。今回は、介護保険制度の仕組みと「なぜ40歳から保険料を負担するのか」について、厚生労働省の資料をもとに解説します。
1. 介護保険制度がはじまった理由とは?社会の変化とその背景
介護保険制度は高齢化の進展に伴う介護ニーズの増大、核家族化や介護する家族の高齢化といった社会の変化に対応するため、「高齢者の介護を社会全体で支えるしくみ」として2000年にはじまりました 。
1.1 「第1号被保険者」とは?
- 対象者:65歳以上
- 被保険者数:3585万人
→65~74歳:1636万人、75歳以上:1949万人 - 給付対象:要介護状態または要支援状態になった場合(原因は問わない)
- 要介護(要支援)認定者数と被保険者に占める割合:681万人(19.0%)
→65~74歳:71万人(4.3%)、75歳以上:610万人(31.3%) - 保険料負担:徴収は市町村が行う(原則、年金から天引き)