家や車を買うため、結婚準備、子育てや教育費など、貯金の目的は様々ですが、少子高齢化していく日本で多くの人が気になっているのは老後資金を貯めることではないでしょうか。今回は老後資金の目安について考えます。

自分の見込み年金額を知ろう

まずは、将来いくらぐらいの年金額をもらえるかを調べましょう。日本年金機構の「ねんきん定期便」には将来の見込み受給額が記載されていますし、インターネットでも年金シミュレーションができるサイトがありますので、自分がいくらくらいもらえるかを見てみましょう。

一例として、厚生労働省が発表しているモデル世帯(夫は平均賃金で40年勤務、妻はその間専業主婦)では、2018年度の年金額は1カ月あたり22万1277円となっています。もし、今65歳の世帯主が85歳まで生きるとしたら、支給される合計額は22万1277円×12カ月×20年で5300万円強になります。

ただし、これらの金額には今後変動があり得ることを頭に入れておかなければいけません。

繰り下げ支給をすると支給額が増額される

ところで、公的年金は65歳から受け取るのが原則ですが、受取開始を60歳から70歳までの好きな時に変更することもでき、その場合は増額された年金額を生涯受け取ることができます。

いくら増額されるかは、「繰り下げた月数×0.7%」で計算しますが、たとえば70歳からの受取を選ぶと、65歳から受け取った場合と比べて毎回の受取額が42%多くなります。

そのため、受け取りの開始が遅くても、年金を約12年受け取ると65歳から受け取った場合よりも金額が大きくなります。70歳まで繰り下げた場合は82歳が分岐点になりますが、いつまで長生きできるかは予想できないので、必ずしも繰り下げたらお得ということは言い切れません。

出ていくお金はどのくらい?

では、支出の目安はどのくらいになるでしょうか。