2.2 65歳以上の無職世帯《資産の内訳》の変化

65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の「資産の内訳」について、2019年と2024年を比べてみます。

通貨性預貯金

※主に普通預金

  • 金額:+258万円(543万円→801万円)

定期性預貯金

※定額貯金、積立貯金、定期預金、定期積金など

  • 金額:▲82万円減(941万円→859万円)

生命保険など

※民間保険会社が販売する積立型の生命保険、損害保険(積立型)、農業協同組合などが取り扱う各種共済、郵便局で取り扱う簡易保険(保険商品、年金商品)など。なお、掛け捨ての生命保険は含まれない。

  • 金額:+25万円(369万円→394万円)

有価証券

※株式や有価証券など

  • 金額:+144万円(357万円→501万円)

金融機関外

※社内預金、勤め先の共済組合への預金など

  • 金額:▲2万円減(8万円→6万円)

合計

  • 金額:+342万円(2218万円→2560万円)

まず、「通貨性預貯金」の割合が大きく増えました。一方で、「定期性預貯金」の割合が減少しています。

以前は定期預金の金利も高かったものの、昨今の低金利の影響で利用するメリットが減り、定期性から流動性へ変化したと考えられます。

次に、「生命保険など」や「有価証券」の割合が増えました。特に有価証券は4割以上増加しています。資産運用をするという意識が強まった結果であったり、以前から保有していた株式等が値上がりした結果なのではないでしょうか。

預金に置いておいても金利がなかなかつかない時代なので、すぐに使わない資金は資産運用に回すというケースが増えていると考えられます。

これらのことから、預金や有価証券などバランス良く資産を保有していることが分かります。何かひとつに偏るのではなく、資金用途に応じて賢く保有するという傾向が推測できます。

ただし、これはあくまで平均のデータです。実際は世帯ごとに収支の状況や運用への考え方は異なるため、一例として見てみましょう。自分で貯蓄をしてきた方もいれば、退職金や相続金などの臨時的な収入がある場合もあります。

ご自身の状況に合わせて資産割合を見直したり、場合によっては資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。