物価高騰や社会保険料の負担増が続く中、「年金だけでは暮らせない」という不安を抱える高齢者世帯は少なくありません。
特に、収入が年金に限られることが多い70歳以上の世帯では、毎月の生活費と年金額のバランスが家計の鍵を握ります。
本記事では、70歳以上・二人以上世帯を対象に、平均的な生活費や貯蓄状況、年金受給額の実態を解説します。
老後の赤字家計をどう乗り切るか、今からできる備えも含めて、現実を直視しながら考えていきましょう。
1. 【70歳以上・二人以上世帯】1ヵ月の平均的な生活費はいくら?
総務省統計局の家計調査報告から、「70歳以上・二人以上世帯」の平均的な生活費を見てみましょう。
1.1 70歳以上・二人以上世帯の消費支出【内訳】
- 食料費:7万8565円
- 住居費:1万5954円
- 光熱・水道費:2万3455円
- 家事・家具用品費:1万1502円
- 被服及び履き物費:5858円
- 保健医療費:1万7269円
- 交通・通信費:2万8168円
- 教育費:359円
- 教養娯楽費:2万3402円
- その他費用:4万8250円
消費支出の合計は月額25万2781円となっており、中でも最も大きな割合を占めているのが「食料費」です。
また、この金額には税金や社会保険料などの「非消費支出」は含まれていないため、実際の家計負担はこれよりさらに大きくなる点に注意が必要です。
毎月の家計収支が赤字の場合、貯蓄を取り崩して生活する必要がありますが、70歳代の方々はどのくらいの資産を有しているのでしょうか。