3. 【2025年度】標準夫婦のモデル年金額はいくら?
2025年度の年金額改定により、2024年度に比べて年金額が1.9%引き上げられました。年金額に関する参考例として、厚生労働省が以下の金額を発表しています。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
前述のとおり、「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取る老齢厚生年金と、夫婦2人分の老齢基礎年金(満額)を合わせた平均年金月額は、23万2784円となります。
- 夫:基礎年金(満額)6万9308円+厚生年金9万4168円
- 妻:基礎年金(満額)6万9308円
ただし、実際には額面通りの金額をそのまま受け取れるわけではなく、税金や社会保険料が差し引かれます。
また、厚生年金の受給額は現役時代の収入や加入期間に左右されるため、個人差が大きくなる点にも注意が必要です。
実際の振込額は、毎年6月に送付される「年金振込通知書」などで確認しましょう。
4. 老後の平均的な家計収支は赤字に…今からできる準備を
今回ご紹介したように、70歳以上・二人以上世帯の平均的な消費支出は月額25万2781円にのぼり、税金や社会保険料を含めると実際の生活費はさらに膨らみます。
一方、標準夫婦のモデル年金額は23万2784円となっており、平均的な家計は月数万円の赤字となっているのが現実です。
こうした赤字を補うためには、現役世代のうちから老後の収支を見通し、資産形成や支出の見直しを行うことが重要です。
また、将来受け取れる年金額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で定期的に確認し、不足分を把握しておくことも大切です。
公的制度の動向や家計負担の変化にも注目しながら、早めに備え、ゆとりある老後を迎えましょう。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 総務省「家計調査報告 2024年1世帯当たり1か月間の収入と支出」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
加藤 聖人