11月は、日本年金機構と厚生労働省が定める「ねんきん月間」です。みなさんは、今のシニア世代の年金受給額がどれくらいか、ご存じですか?
老後の生活設計を考える上で、公的年金がいくらもらえるのかは、現役世代にとって大きな関心事ではないでしょうか。
最新データによると、厚生年金を受け取っている方の平均月額は約14万6000円ですが、現役時代の収入や加入期間によって受給額は大きく変動します。実際、月10万円に満たない方も少なくありません。
では、月20万円以上を受け取っている人は、どのくらいの割合なのでしょうか。
公的年金は2ヶ月に一度、偶数月の15日に支給され、次回の支給は2025年12月15日です。この記事では、公的年金の基本から最新の受給データまでを詳しく解説し、将来の資産形成のヒントを探ります。
1. 日本の公的年金はどんな仕組み?国民年金と厚生年金の基本
公的年金の支給は、原則として偶数月の15日に行われます。もし15日が土日や祝日の場合は、その直前の平日に支給日が繰り上げられます。
直近では2025年10月15日(水)に支給されており、次回の支給予定日は2025年12月15日(月)です。
日本の公的年金制度は、基礎部分である「国民年金」と、それに上乗せされる「厚生年金」から成る、2階建ての構造になっています。
それぞれの基本的な内容を確認しておきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)の基本的な仕組み
- 加入対象:日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入します。
- 年金保険料:加入者全員が同じ金額を納めます(※1)。
- 老後の受給額:保険料を40年間すべて納付すると、満額を受け取れます(※2)。
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被保険者の種類:第1号から第3号までの区分があります(※3)。
※1 2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2 2025年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円です。
※3 第1号被保険者は自営業者や学生など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者を指します。
1.2 厚生年金(2階部分)の基本的な仕組み
- 加入対象:会社員や公務員のほか、一定の要件を満たすパート・アルバイトの方も国民年金に上乗せして加入します(※4)。
- 年金保険料:収入に応じて保険料が決定され(※5)、給与から天引きされる形で納付します。
- 老後の受給額:加入していた期間や納めた保険料の額によって個人差が生じます。
- 被保険者の種類:第1号から第4号までの区分があります(※6)。
※4 特定適用事業所とは、厚生年金保険の被保険者数が年間6ヶ月以上51人以上となる見込みの企業などを指します。
※5 保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて計算されます。
※6 第1号は民間企業の会社員、第2号は国家公務員、第3号は地方公務員、第4号は私立学校の教職員が該当します。
次の章では、厚生労働省のデータをもとに、それぞれの年金の平均受給月額を具体的に見ていきます。
