「社会保障」が大きな争点となった参議院選挙。少子高齢化が進む中、年金や医療、介護など生活に密接に関わるこの制度を今あらためて見直す必要があります。本記事では、厚生労働省の最新資料をもとに、社会保障制度の全体像と課題を3つの視点からわかりやすく解説。日本の制度がどこに課題を抱えているのか、そして世界の中でどのような位置づけにあるのかをひも解きます。
1. 一生を支える社会保障制度、その全体像とは?
日々の暮らしの安定と安心を図るためにある社会保障制度は、一生を通じて生活に欠かせない社会基盤となっています。そんな社会保障制度は目的や役割によって、4つの種類に分けられます。
- 社会保険:年金・医療・介護・雇用・労災など、保険料を基に生活のリスクに備える役割
- 公的扶助:生活保護が含まれ、生活に困っている人を税金で支える役割
- 社会福祉:障害者・児童・高齢者への支援など、多様な生活課題に対応する役割
- 保健・衛生:母子保健などの保健事業と、感染症対策などの公衆衛生の役割
これらの制度は、子どもから高齢者まで、人生のさまざまな場面で支えとなっており、私たちの暮らしに密接につながっています。