暑い日々が続いているためエアコンをつける必要があり、電気代の請求書を見るたびにため息が出ている方も多いのではないでしょうか。

また、食料品や日用品も値上がり続きで「年金だけでは毎日の暮らしが厳しい」と感じる方は少なくありません。

2025年度の年金額は、前年度と比べて1.9%増額されていますが、私たちが日々感じている物価の上昇に追いついていないのが現状です。

年金額が前年度より増額されていても、家計の負担を完全に解消するにはいたっていません。

働き方や収入、年金の加入期間などにより、老後受給できる年金額は大きく変わるため、具体的な年金額を把握している方は意外と少ないものです。

この機会に、公的年金制度の基本や「平均年金月額」、公的年金から天引きされる《税金や社会保険料》の「仮徴収・本徴収」について確認してみませんか。

年金について知ることで、老後生活に向けた適切な対策を考える第一歩になるはずです。

1. 1.9%増額・2025年度年金例

年金支給日は2カ月に一度、偶数月の15日(※)に、前月までの2カ月分がまとめて支払われます。

2025年は6月13日(金)が4月・5月分、8月15日(金)が6月・7月分の年金支給日です。

公的年金は、物価や賃金の動きを踏まえて年度ごとに改定されるルールがあり、毎年6月に支給される4月分の年金から、その年度の改定率が適用されます。

※15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。

1.1 前年度より1.9%増額改定された「2025年度の年金額例」

2025年度の公的年金は前年度より1.9%増額されました。

厚生労働省公表の年金額例では、厚生年金のモデル夫婦世帯(※1)で月額23万2784円、国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。

夫婦ともに国民年金のみ(満額受給と仮定)を受け取る世帯であれば、二人分の年金額はひと月13万8616円となります。

※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額