貯蓄率とは、何を表している数字なのかご存知でしょうか。ここでは、貯蓄率とは何かという点について内閣府や総務省の資料を参考にして説明していきます。あわせて、総務省が発表したデータについて世帯における家計の黒字とともに日本の貯蓄率の推移についても見ていきます。

家計の貯蓄率とは

貯蓄率とは、総務省のまとめによれば大きくは2つの考え方があります。

ひとつは、経済社会総合研究所作成による「国民経済計算年報」におけるマクロから見た「家計貯蓄率」。そして、もう一つは、総務省統計局による「家計調査」から収入から支出を差し引いた残りを「黒字」として、その「黒字率」を家計の貯蓄率とする考え方です。

国民経済計算(SNA)における家計貯蓄は以下のように計算する前提となっています。

  • 家計貯蓄=家計可処分所得+年金基金年金準備金の変動(受取)-家計最終消費支出
  • 家計貯蓄率=家計貯蓄/(家計可処分所得+年金基金年金準備金の変動(受取))

もっとも、この計算では、年金なども含まれており、マクロでみる貯蓄率はわかっても、たとえば、勤労している世帯の貯蓄率という意味では、手触り感のない数字なりかねません。

そこで、ここでは、総務省の黒字及び黒字率を中心に見ていこうと思います。

世帯の毎月の貯蓄率はどのくらいか

総務省のいう家計の黒字とは、以下のような定義です。

(家計の)黒字=可処分所得-消費支出