4. 「老後」?「ライフイベント」?年代で大きな差が出るNISA利用の目的
NISAの目的は?

出所:マネーインサイトラボ、「NISAの利用実態調査/2025年3月実施」の結果を発表|新NISA開始から1年、認知度や利用状況は変わった?資産の増減や増えた金額も調査|みんなの銀行
NISAを利用している目的には、世代間の違いが見られます。詳しくみていきましょう。
4.1 【19~27歳:Z世代】NISAの利用目的ランキング
- 将来のライフイベントに備えて(41.8%)
- なんとなく将来が不安だから(41.4%)
- 老後に備えて(35.1%)
- 周囲の人が利用している/勧められたため(20.4%)
- 預貯金の金利が低いから(20%)
4.2 【28~43歳:Y世代】NISAの利用目的ランキング
- 老後に備えて(53.7%)
- なんとなく将来が不安だから(38.4%)
- 預貯金の金利が低いから(37.1%)
- 将来のライフイベントに備えて(26.4%)
- 税制優遇に受けるため(23.5%)
4.3 【44~59歳:X世代】NISAの利用目的ランキング
- 老後に備えて(66%)
- 預貯金の金利が低いから(43.5%)
- 税制優遇に受けるため(27.3%)
- なんとなく将来が不安だから(26.9%)
- 周囲の人が利用している/勧められたため(15.9%)
世代別の利用目的をみると、Z世代は「将来のライフイベント」に備えてNISAを利用している人が多いのに対し、X世代やY世代は「老後」に備えて利用している人が多いことがわかります。
Z世代が「ライフイベント」を重視するのは、住宅購入や結婚、子育てといった具体的な将来のイベントを見据えているためだと考えられるでしょう。
また「なんとなく将来が不安だから」という理由や「預貯金の金利が低いから」という理由も全世代でランクインしています。
この結果から、NISAが中長期の資産形成を目的とした制度であり、それぞれの世代がライフステージに応じた目標を持って資産運用に取り組んでいることがわかります。
5. まとめにかえて
Z世代のNISA利用率はまだ発展途上にありますが、制度の理解が進んでいることや具体的なライフイベントを見据えて投資を考えている点からも、Z世代が計画的に資産形成を捉え始めている様子がうかがえます。
また、つみたて投資枠を活用し、長期・分散・積立の投資をすることができるのも、気軽に投資を始められ、長期的な視点で投資できる理由となっているでしょう。
今後、若い世代が年齢を重ねてキャリアやライフイベントを積み重ねていくことで、投資に対する考え方も変わっていくかもしれませんね。
参考資料
- マネーインサイトラボ「NISAの利用実態調査/2025年3月実施」の結果を発表|新NISA開始から1年、認知度や利用状況は変わった?資産の増減や増えた金額も調査|みんなの銀行」(PRTIMES)
- 400F(フォーハンドレッド・エフ)「約8割が「老後不安」、生活費と医療費が二大懸念。老後資金準備状況は「二極化傾向」。若年層の「ねんきん定期便」理解不足も浮き彫りに」(PRTIMES)
- NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について|金融庁
LIMO・U23編集部