2025年の年金制度改正法が成立し、老後生活や年金に対する関心が高まっています。
安心して、または豊かな老後を過ごすために、年金額を増やそうと「繰下げ受給」を検討している人もいるでしょう。
本記事では、老齢年金の繰下げ受給時の計算方法について解説します。
計算上の注意点も紹介しますので、老後準備の一環として確認しておきましょう。
1. 繰下げ受給とは
最初に繰下げ受給制度の概要と、繰下げ受給したときの年金額の計算方法を解説します。
1.1 年金受給開始時期を繰り下げること
老齢年金は原則65歳から受給開始しますが、受給開始時期を60歳から75歳まで任意に選択可能です。65歳より前に受給開始することを「繰上げ受給」、65歳以降(実際には66歳以降)に受給開始することを「繰下げ受給」と呼びます。
繰上げ受給すると早く年金を受け取れる代わりに年金額は減り、繰下げ受給すると受給開始が遅くなる代わりに年金額は増えます。
人生100年時代を迎え、長生きして生活費が足りなくなる「老後破綻」が話題となっていますが、繰下げ受給は解決策の1つと言えるでしょう。
ただし、年金を受け取るまでの生活費を賄うためには、65歳以降も仕事を続けて「収入」を得るか取り崩しできる「貯蓄」が必要です。