4. 暮らし向き「ゆとりがなくなってきた」が大幅に増加
老後資金を準備したいと思いつつ、なかなか余裕がないという人も少なくないでしょう。
日本銀行が2025年7月14日に公表した「生活意識に関するアンケート調査」(第102回)によると、現在の暮らし向き(1年前対比)について、「ゆとりがなくなってきた」と回答した割合は61%であることがわかりました。
2025年3月時点では55.9%だったので、増えている様子がわかります。
過去からの推移をたどると、ボトムは2008年9月の62.6%。リーマンショックの時期に迫る勢いで増加傾向しているのです。
そのような中で、やみくもに貯蓄をするのは難しいものです。モチベーションも続かないでしょう。
「何となく」「平均を参考に」進めるのではなく、世帯にあった準備を過不足なく行っていくことが大切です。
5. まとめにかえて
定年退職後の理想を叶えるためには、やはりお金の管理が必要です。
年金が高い人でも、それだけ現役当時の年収が高かったということですから、収入が減ることは避けられません。これをカバーする私的年金や不労所得があるのか、なければどれほど貯蓄で備えられるのかなどが重要になります。
また、老後対策は貯蓄だけではありません。資産運用を緩やかに続けることや、働き続けることもひとつの選択肢です。
自分に合うかどうかは世帯の状況によって異なるため、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
- 日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第102回)」
太田 彩子