6. 【豆知識】戸籍のフリガナ、変更や修正をしたら年金の手続きも必要?
戸籍法と住民基本台帳法の改正により、2025年5月26日から、戸籍や住民票に「氏名」のフリガナが記載されることになりました。
本籍地の市区町村長から、このことに関する通知が順次郵送されています。
もし、送られてきた通知の「氏名」のフリガナに誤りがあり、変更や訂正の届け出をおこなった場合は、年金に関する手続きが必要となる可能性があるため注意が必要です。
以下で、ケース別に対応方法を説明します。
6.1 《年金を受給中の場合》
年金の受取先金融機関の口座名義変更が必要となる人には、日本年金機構から「氏名変更のお知らせ」(口座名義変更のご案内)が届きます。
このお知らせを受け取った場合は、金融機関でご自身の年金受取口座の名義(フリガナ)の変更手続きをおこなう必要があります。
ただし、「氏名変更のお知らせ」が届く前に口座名義(フリガナ)を変更してしまうと、年金記録と口座名義のフリガナが一致せず、年金の支払いが一時的に止まる可能性があるので注意しましょう。
6.2 《国民年金第1号被保険者》
国民年金保険料を口座振替で納付している場合
氏名のフリガナを変更・訂正する届け出をおこない、それに合わせて口座名義(フリガナ)も変更した場合は、改めて「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼還付金振込方法(変更)申出書」を提出する必要があります。
国民年金保険料を納付書で支払っている場合
もし未納期間がある場合は、変更後の氏名で新たな納付書が再発行されることがあります。その場合は、二重払いにならないよう注意が必要です。
なお、氏名変更前と変更後、どちらを記載された納付書でも納付は可能です。
6.3 《健康保険被保険者(協会けんぽ)》
協会けんぽから資格確認書が発行されている場合は、氏名変更後に新しいフリガナが記載された資格確認書が改めて発行されます。
7. まとめにかえて
今回は、公的年金制度の基本事項をおさらいしたほか、今のシニア世代の年金受給事情を年齢別・男女別に見てきました。
厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は14万円台ですが、これはあくまで男女全体の平均です。
実際には、現役時代の働き方や収入、年金保険料の納付期間によって、受け取れる金額は一人ひとり大きく異なります。
とくに厚生年金では、年金加入月数とその期間の収入の差が、男女間の年金月額の差となって反映されていました。
6月に成立した年金制度改正法によって、社会保険の適用拡大や在職老齢年金の見直しなどが進みます。
「自分は将来いくらもらえるのだろう?」と気になった人は、まず日本年金機構の「ねんきんネット」などを活用し、ご自身の年金見込額を確認してみましょう。
公的年金がベースとなることを前提としながら、iDeCoなどの私的年金も組み合わせて資産形成を計画的に進めていくことが、安心して老後を迎えるための鍵となりそうですね。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「戸籍等に記載される氏名の振り仮名を変更する方へ(年金に関するお願い)」
マネー編集部年金班