筆者は元信用金庫職員ですが、偶数月の15日は、窓口やATMに年金を引き出しに来店されるお客様が多かったことを思い出します。日本の高齢化社会が更に進行して、保険料を支払う現役世代が減少して、年金が目減りするのではないかとも言われております。

また年金は、人によって受給できる金額が違います。現役時代の働き方や加入期間などが影響して年金額に個人差が出てくるのです。そんな年金を受給中で所得などの一定基準に該当する方に向けた「年金生活者支援給付金」という制度があります。今回は、年金生活者支援給付金について、給付額・対象者・請求手続きについて解説します。

1. 年金生活者支援給付金、給付額「ひとりいくらもらえるの?」

「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。

老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。また、給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。

1.1 年金生活者支援給付金「2025年度の給付額」はいくら?

2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されています。

各給付金の2025年度月額は以下の通りです。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。