公的年金の受給額は、現役時代の収入や働き方によって大きな違いがあります。
平均より多くもらっている方もいれば、生活費に不安を感じるほど少ない方も。こうした方々を支える制度のひとつが「年金生活者支援給付金制度」です。
2025年度からは、物価上昇などを踏まえて給付額も引き上げられています。
この記事では、平均的な年金額や給付金の対象者、申請方法について、最新の情報をわかりやすく解説します。自分や家族が対象となるか、早めに確認してみてはいかがでしょうか。
1. 年金の受給額は個人差が大きい
まず、厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金と国民年金の平均月額と受給額ごとの受給権者数を見てみましょう。
※厚生年金の金額は、国民年金部分を含む
〈全体〉
- 厚生年金:14万6429円
- 国民年金:5万7584円
〈男性〉
- 厚生年金:16万6606円
- 国民年金:5万9965円
〈女性〉
- 厚生年金:10万7200円
- 国民年金:5万5777円
基礎年金部分を含めた厚生年金の平均月額は14万6429円となっており、男女間では約6万円の差が見られます。
また、厚生年金の受給額は収入と加入期間に大きく左右されるため、1万円未満~30万円以上と個人差が大きくなります。
老後の重要な収入源となる年金が少ない場合、生活が困窮する可能性も十分に考えられるでしょう。
そのような方々の支援を目的とするのが「年金生活者支援給付金制度」です。ここからは、制度の概要や給付基準額、支給要件を見ていきましょう。