次回の年金支給日は8月15日(火)ですが、先月6月の支給分から年金受給額が1.9%引き上げとなったのはご存じでしょうか?

2025年度の年金額は、国民年金(満額)が月額6万9308円、厚生年金(夫婦2人分)が23万2784円にそれぞれ増額されます。これらの金額はあくまで目安であり、実際の受給額は個人の年金加入状況や働き方によって異なります。ご自身の将来の年金見込額を試算し、今後の生活設計に役立てましょう。

今回は厚生労働省や日本年金機構のデータをもとに、公的年金制度と年齢別の受給額を解説します。さっそく年金の一覧表からみていきましょう。

1. 【厚生年金】年齢別一覧表・平均月額まとめ

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60歳~90歳以上の各年齢の平均年金月額を確認していきましょう。

まずは厚生年金から見ていきます。

※厚生年金の年金額には、老齢基礎年金(国民年金)部分も含みます。

1.1 【一覧表】年齢別・厚生年金の平均月額まとめ《60歳代》

【厚生年金一覧表】60歳代(60〜69歳)2/11

60歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

1.2 【一覧表】年齢別・厚生年金の平均月額まとめ《70歳代》

【厚生年金一覧表】70歳代(70〜79歳)3/11

70歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:厚生年金14万4773円
  • 71歳:厚生年金14万3521円
  • 72歳:厚生年金14万2248円
  • 73歳:厚生年金14万4251円
  • 74歳:厚生年金14万7684円
  • 75歳:厚生年金14万7455円
  • 76歳:厚生年金14万7152円
  • 77歳:厚生年金14万7070円
  • 78歳:厚生年金14万9232円
  • 79歳:厚生年金14万9883円

1.3 【一覧表】年齢別・厚生年金の平均月額まとめ《80歳代》

【厚生年金一覧表】80歳代(80〜89歳)4/11

80歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:厚生年金15万1580円
  • 81歳:厚生年金15万3834円
  • 82歳:厚生年金15万6103円
  • 83歳:厚生年金15万8631円
  • 84歳:厚生年金16万59円
  • 85歳:厚生年金16万1684円
  • 86歳:厚生年金16万1870円
  • 87歳:厚生年金16万2514円
  • 88歳:厚生年金16万3198円
  • 89歳:厚生年金16万2841円

1.4 【一覧表】年齢別・厚生年金の平均月額まとめ《90歳以上》

【厚生年金一覧表】90歳以上5/11

90歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:厚生年金16万721円

※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含まれる。

老齢年金の一般的な受給開始年齢は65歳です。70歳代の平均月額は14万5327円で、90歳以上の平均月額は16万721円なので、70歳代と90歳以上とではひと月で1万5394円、年間で約18万以上の差があるということがわかります。

2. 【国民年金】年齢別一覧表・平均月額まとめ

続いては、国民年金(老齢基礎年金)を確認していきましょう。

2.1 【一覧表】年齢別・国民年金(老齢基礎年金)の平均月額まとめ《60歳代》

【老齢基礎年金(国民年金)一覧表】60歳代(60〜69歳)6/11

60歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:基礎年金4万3638円
  • 61歳:基礎年金4万4663円
  • 62歳:基礎年金4万3477円
  • 63歳:基礎年金4万5035円
  • 64歳:基礎年金4万6053円
  • 65歳:基礎年金5万9599円
  • 66歳:基礎年金5万9510円
  • 67歳:基礎年金5万9475円
  • 68歳:基礎年金5万9194円
  • 69歳:基礎年金5万8972円

2.2 【一覧表】年齢別・国民年金(老齢基礎年金)の平均月額まとめ《70歳代》

【国民年金一覧表】70歳代(70〜79歳)7/11

70歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:基礎年金5万8956円
  • 71歳:基礎年金5万8569円
  • 72歳:基礎年金5万8429円
  • 73歳:基礎年金5万8220円
  • 74歳:基礎年金5万8070円
  • 75歳:基礎年金5万7973円
  • 76歳:基礎年金5万7774円
  • 77歳:基礎年金5万7561円
  • 78歳:基礎年金5万7119円
  • 79歳:基礎年金5万7078円

2.3 【一覧表】年齢別・国民年金(老齢基礎年金)の平均月額まとめ《80歳代》

【老齢基礎年金(国民年金)一覧表】80歳代(80〜89歳)8/11

80歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:基礎年金5万6736円
  • 81歳:基礎年金5万6487円
  • 82歳:基礎年金5万6351円
  • 83歳:基礎年金5万8112円
  • 84歳:基礎年金5万7879円
  • 85歳:基礎年金5万7693円
  • 86歳:基礎年金5万7685円
  • 87歳:基礎年金5万7244円
  • 88歳:基礎年金5万7076円
  • 89歳:基礎年金5万6796円

2.4 【一覧表】年齢別・国民年金(老齢基礎年金)の平均月額まとめ《90歳以上》

【老齢基礎年金(国民年金)一覧表】90歳以上9/11

90歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:基礎年金5万3621円

※65歳未満で受給している老齢基礎年金の受給者は繰上げ受給を選択した方。

65歳以降の老齢基礎年金の平均月額は、いずれの年齢も5万円台でした。

3. 「寿退社も影響してた?」男女で変わる厚生年金の平均月額

ここまで、年齢ごとの平均年金月額を確認してきました。

続いては、男女別に年金月額ごとの人数と、全体の平均額を見てみましょう。

厚生年金の平均額(全年齢)10/11

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※老齢基礎年金部分を含む

3.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

基礎年金は男女の平均年金月額に大きな差はありませんが、厚生年金は男女でひと月あたり約6万円、年間にすると約72万円もの差が生じています。受給が20年間続けば、トータルで1,400万円以上の差になる可能性もあり、見過ごせない違いといえるでしょう。

要因としては、加入期間や在職中の収入に男女間で大きな差があるからと考えられます。

一般的に、男性の方が女性よりも平均勤続年数が長かったり、男性の方が女性よりも平均収入が高かったりすることが多いため、受給額に影響を及ぼしているのでしょう。

また、結婚や出産を機に退職を選ぶ、いわゆる「寿退社」をする女性が少なくなかった時代背景もあり、継続して働くことが難しい状況だった人も多かった点は見過ごせません。

さらに、パート勤務など短時間労働では厚生年金の加入対象外だった期間もあり、その分、年金額が伸びにくいという実情もあります。

4. 【ねんきん豆知識】「加給年金」と「振替加算」

公的年金には、本来の老齢給付のほか「現役時代から知っておきたいしくみ」もたくさんあります。「加給年金」もそのひとつです。

「加給年金」とは、厚生年金保険の加入期間が20年以上ある人が「65歳になった時点で、一定条件を満たす扶養家族がいる場合」に加算される年金です。

「年金の家族手当」などとも呼ばれる制度で、本人の厚生年金に「加給年金」が加算されます。加給年金の対象となる世帯は以下の通りです。

  • 厚生年金加入期間20年以上の人が、年下の配偶者や18歳未満の子を扶養している世帯

令和7年4月からの加給年金額(および年齢制限)

配偶者:23万9300円
※65歳未満であること(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません)

1人目・2人目の子:各23万9300円
※18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

3人目以降の子:各7万9800円
※18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

配偶者が65歳になるまで加算され、歳の差が大きいほど受給期間が長くなるしくみです。

厚生年金が全額停止の場合は加給年金も停止となる点には注意が必要です。また、配偶者が65歳になった時点で、加給年金は終了し、振替加算という制度に移行します。

5. まとめにかえて

今回は、厚生労働省や日本年金機構のデータをもとに、公的年金制度と年齢別の受給額を解説しました。公的年金制度は「2階建て構造」で、2025年度は物価に応じて1.9%年金額が引き上げられます。年金額は年齢や働き方で大きく異なるため、ご自身の年金額を知り、今後の家計や支援制度の活用に役立てていきましょう。

参考資料

村岸 理美