2. 【日本の富裕層】「世帯数と純金融資産」増え続けている3つの理由とは?

「給料の伸びが鈍化し、物価上昇で生活が厳しくなっている」と感じる人が多い一方で、なぜ富裕層の世帯数は増加し続けているのでしょうか。

「富裕層および超富裕層」の総資産額の推移は、以下のとおりです。

  • 2005年:86万5000世帯・213兆円
  • 2007年:90万3000世帯・254兆円
  • 2009年:84万5000世帯・195兆円
  • 2011年:81万世帯・188兆円
  • 2013年:100万7000世帯・241兆円
  • 2015年:121万7000世帯・272兆円
  • 2017年:126万7000世帯・299兆円
  • 2019年:132万7000世帯・333兆円
  • 2021年:148万5000世帯・364兆円
  • 2023年:165万3000世帯・469兆円

データからもわかるように、日本では富裕層の数が長期的に増加傾向にあります。

では、なぜこれほどまでに富裕層が増えているのでしょうか。

その背景には、主に以下の3つの理由が挙げられます。

2.1 理由1:経済成長と資産形成の機会が増えた

2005年以降、日本経済は緩やかではあるものの着実に成長を続けており、この経済成長に伴い、資産形成の機会も広がってきました。

特に、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度が整備されたことで、個人が投資を通じて資産を増やしやすい環境が整っています。

こうした制度を早期から活用し運用を開始した人の中には、大きなリターンを得ているケースも見受けられます。

2.2 理由2:株価の上昇

アベノミクスの影響で円安が進み、株価が上昇した時期があり、その間に株式などの金融資産に投資していた人たちは大きな利益を享受できました。

特に、多額の資産を運用していた富裕層は、この相場の好影響を一層強く受けることとなりました。

2.3 理由3:相続や贈与の影響

富裕層の中には、相続や贈与を通じてまとまった資産を受け継いだ人も多くいます。

日本の高齢化が進む中で、親や祖父母から財産を引き継ぐケースが増加しており、これが富裕層の増加の一因となっています。

こうした状況から、自らの意思とは別に富裕層に加わる人も一定数存在しているのです。