蒸し暑さが続く8月。夏の暑さもあり、自宅で過ごす「おこもり時間」が増えるこの季節は、ふとした瞬間に「老後の安心」について考える方も多いのではないでしょうか。

とくに定年を迎え、70歳代に入った方々にとっては、「これからの生活費は足りるのか?」「今の貯蓄で本当に大丈夫なのか?」といった不安が、より現実的なものとして感じられてくる頃です。

医療費や生活費などの支出も増える傾向にあります。夏の電気代やお盆の出費など、季節ごとの負担も見逃せません。

本記事では、70歳代の方々のリアルな貯蓄額や年金受給額の平均についてご紹介します。「安心して老後を過ごすためには何が必要か?」そのヒントを得るために、今一度、ご自身の生活と向き合うきっかけにしてみてください。

1. 【老後の不安】「健康寿命」と「平均寿命」には大きな差があるって本当?

厚生労働省が発表した「令和5年簡易生命表」によると、2023年時点の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳となっています。

一方で、健康上の問題がなく、日常生活に支障なく過ごせる期間である「健康寿命」は男性が72.57歳、女性が75.45歳とされています。

厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

出所:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」

上記の結果からもわかるように、「健康寿命」と「平均寿命」の間には大きな差があり、健康に不安を抱える高齢者が増えています。

こうした状況だからこそ、計画的な貯蓄管理を行い、年金だけに依存しない安心できる老後を目指すことが重要です。

次章では、70歳代の世帯における貯蓄状況を確認していきます。