8月15日は、多くの年金受給者にとって待ちわびた支給日です。振り込まれる金額は人によって異なりますが、「男性で月15万円以上」の年金を受け取っている人が、実際どのくらいいるのかご存じでしょうか。

物価や光熱費の高止まりが続く中、年金額は生活の余裕を左右する重要な要素です。特に15万円という金額は、単身世帯でも暮らしやすさに影響を与えるひとつの目安といえます。

この記事では、厚生労働省の資料をもとに、厚生年金や国民年金を含めた男性受給者の年金額分布を詳しく解説します。

お盆や帰省で出費がかさむこの時期、自分や家族の年金額がどの位置にあるのかを知ることは、今後の家計や生活設計を考えるうえでのヒントになるでしょう。

1. 老後に受け取れるのは「国民年金のみ」か「国民年金+厚生年金」かどっち?

まず、公的年金制度の仕組みを簡単に押さえておきましょう。

日本の年金は、1階部分の「国民年金」と、2階部分の「厚生年金」で構成される、いわゆる「2階建て構造」となっています。

1.1 【国民年金(1階部分)】加入対象・保険料・年金額

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
  • 保険料:全員一律、年度ごとに見直しあり(※1)
  • 年金額:保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降に満額の基礎年金(※2)を受給できる(未納期間分に応じて減額調整)

※1 国民年金保険料:1万7510円(2025年度の月額)
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:6万9308円(2025年度の月額)

1.2 【厚生年金(2階部分)】加入対象・保険料・年金額

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:収入に応じて(上限あり)決定する報酬比例制
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せして支給)

国民年金の保険料は「全員同額」ですが、厚生年金の保険料は「報酬比例」です。

そのため、現役時代に国民年金か厚生年金のどちらに加入していたかによって、老後に受け取る年金額には大きな差が生じます。

厚生年金では、毎月の給与や賞与などの報酬額に所定の保険料率を掛けて保険料を算出するため、納付額は人によって異なります。