3. 【40歳代ファミリー層】約25%「貯蓄ゼロ」見えないコストが貯蓄や資産形成の壁に
では、そんな子どもがいる40歳代・二人以上世帯を想定して家計の状況、とりわけ金融資産保有額についてみていきましょう。
※金融資産保有額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
※J-FLECの調査では、「子どもがいない世帯」も含まれますが、ここでは子どもがいる40歳代の二人以上世帯を想定して家計の状況を考察します。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、金融資産をまったく保有していない世帯が25.7%で、約1/4の世帯が「貯蓄ゼロ」という厳しい状況にあります。さらに、金融資産の中央値は250万円と低く、一部の高資産層(3000万円以上が6.5%)が平均である944万円を押し上げている構図です。全体の65.8%が700万円未満の資産規模で、多くの家庭が資産形成の途中段階にあるといえます。
育児や教育にかかる「見えにくいコスト」が日々の家計を圧迫し、投資に踏み出す余裕が持ちにくい現実も、こうした数字の背景にあると考えられます。子育て世帯ならではの家計の負担感が浮き彫りになっています。