さらに筆者の場合、土日は多少なりとも夫の協力を仰げましたが、近所に親しいママ友もおらず、平日の会話相手がいなかったということも、辛さを助長した要因かもしれません。とにかく誰かと他愛もない会話がしたい。助産師さんや看護師さんに、産後の体や赤ちゃんのことを気軽に相談できた入院中の環境が、いかに居心地の良かったものだったのかを痛感しました。

そんな生活が産後すぐから1カ月半が経った頃、「このままでは精神的にダメになるかもしれない」と思い、ベビーシッターサービスを利用することを決意。2時間程度のシッティングを2回ほど使ってみたところ、これが筆者にはとても良かったのです。

シッターさんに家に来てもらった時は、ただ子どもを安全に見てもらうということだけを要求。その間、筆者は音楽やラジオを聴きながら近所を1人で散歩したり、コンビニやスーパーで買い物をしたりしました。そう、完全に“息抜き”のためだけにベビーシッターを利用したのです。

良かったのはリフレッシュだけではありません。預け時間が終わり、シッターさんから、「今日はとてもご機嫌でしたよ」「抱っこでスヤスヤ寝てくれました」といったフィードバックをもらうことで、「自分以外の人が子どものお世話をしてくれる」、「子どもの成長を見守ってくれる」という安心感が得られました。また、家族以外のシッターさんと会話するという行為だけでも、社会とのつながりを求めていた筆者の心を穏やかにしてくれました。

“仕事以外で育児を休むこと”に罪悪感を抱くことはない

こうして、筆者は仕事復帰をする前から息抜き目的でベビーシッターサービスを利用することで、産後の不安定な気持ちを解きほぐしていくことができました。

仕事以外の目的で、お金を払ってまで保育園の一時預かりやベビーシッターを使って、自分の子どもを他人に見てもらうことに、多少なりとも罪悪感を持つお母さんは少なくないかもしれません。しかし、物理的に育児の協力を得られること以外にも、リフレッシュや社会とのつながりなど多くのメリットがあることを実感しました。そしてそのためにかかるお金は、決して無駄ではなく必要経費であると筆者は強く感じています。

産後保育園に預けることができないお母さんやワンオペ育児で辛い思いをしているお母さんは、仕事以外で育児を休むことに罪悪感を持たず、一度ベビーシッターや一時預かりを利用してみてはいかがでしょうか。

秋山 悠紀