保育園やベビーシッターは、子育て中のお母さんが仕事をするためには必要不可欠な存在。しかし、そうした預け先は、仕事をする以外でも多くのお母さんの救いとなります。それはなぜでしょうか。
これは筆者が息子を出産した直後のこと。両家の祖父母にはほとんど頼れず、夫も育休はおろか、仕事が忙しく毎日深夜帰りの日々でワンオペ育児状態。そんな時、産後2カ月弱でベビーシッターサービスを利用しました。今回はその時のお話です。
授乳とオムツ替えを繰り返して1日が終わる辛さ
無事に出産を終え、5日ほどの入院を経て退院すると、いよいよ始まった赤ちゃんと1対1でのお世話生活。出産前は、大変だけれども楽しくて、やりがいのあることだと思っていましたが、実際はずっと過酷で辛いものでした。
筆者が辛かったのは体力的なものではなく、1日があっという間に終わってしまうという罪悪感。1~2時間おきの授乳、オムツ替え、泣いたら抱っこ、無理のない範囲での家事をこなしていくと、気付いた時には夜になっていました。そして沐浴を済ませ、慌ただしく自分の夕ご飯とシャワーを終えると寝かしつけ、そして就寝。
そんな毎日が続くと、赤ちゃんのお世話はしっかりしているのに、生産性のないことをしている気持ちに。それはまるで、だらだらと過ごして何もしなかった休日の感じに似ていました。
また、産後1カ月を過ぎた1カ月検診を受けるまでは、母子ともに外出は控えるべきと指導されます。家からほとんど出られず、赤ちゃんのお世話しかしていないことで、徐々に社会との繋がりが絶たれたような感覚に陥っていきました。「まだ産後間もないのにこんなふうでは、自分はなんてダメな母親だろう」と、どんどん気持ちがふさぎ込んでいったのです。
もちろん、産後はそのような生活スタイルになるのは当然で、赤ちゃんのお世話にしっかりと集中する必要があります。しかし、もともとせっかちでアクティブ派な筆者は、「この生活がこのままずっと続くのだろうか」「また今日も、有意義なことが何一つできなかった」といった不安や焦りに襲われ、産後の心の不安定さも重なったのか、次第に心が追い詰められていきました。
自分以外にも子どものお世話をしてくれる人がいる安心感
また、常に1対1で「この子を死なせないように自分がお世話をしなくてはいけない」という緊張感も、辛いものがありました。生まれたばかりの小さな小さな赤ちゃんの命が、自分1人にのしかかるという重圧。この圧迫感は、ワンオペ育児を経験した人にしかわからない感覚かもしれません。