日本株を含めた世界の株式市場の暴落が止まりません。今回は日本株の中でも株式指標を代表するTOPIX(東証株価指数)の推移を参考に、株価の過熱感、暴落度合いを知る上で参考になるいわゆる「バフェット指標」なども参考に見ていきましょう。
株式市場全体を見るには日経平均株価ではなくTOPIX
テレビなどのニュースでは株式市場の動きを見るために「日経平均株価」がよく引き合いに出されます。
ただ、株式市場全体でどうなっているのかを知るには、TOPIXの方が優れています。
TOPIXは、日本取引所グループによれば、「TOPIX(東証株価指数)とは、東証市場第一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数です。昭和43年(1968年)1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものであり、日本経済の動向を示す代表的な経済指標として用いられるほか、ETFなどの金融商品のベンチマークとして利用されています。」としています。
実際にプロ投資家も自分たちが運用するファンドのパフォーマンスを測定する際に比較するのはTOPIXです。
残念ながら日本株は循環株
2012年末以降、「アベノミクス」やその後の「黒田バズーカー」とともに株価は上昇基調となったことはありますが、その状況が過去と比べてどうであったかという議論はあまりされていません。
残念ながら日本株はこれまでの米国株のように景気循環をこなしながら株価が右肩上がりになる資産ではありませんでした。
機関投資家のようなプロ投資家の間では、「日本株はTOPIXの800ポイントで買い、1800ポイントになったら売り」というトレードが一番機能するということはよく話題に出ます。
実際に、TOPIXをバブル経済崩壊後の1992年から直近12月25日までの終値を見ると図のような動きを示しています。
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ご覧の通り、ITバブル、サブプライムローンバブル、また今回のアベノミクスによる景気拡大で、TOPIXでみた際に1800ポイント辺りで大きく跳ね返されています。
株価が好調な際に「日経平均株価は3万円を超える!」などという論調も見られましたが、実際には、そうした予想は実現せず、今回のような大きな株価下落となっています。
では、なぜ日本株は「シクリカル・グロース(循環をしながらの成長)」とならず、単に「シクリカル」で終わってしまうのでしょうか。
バフェット指標で見る株価の過熱感
株価の過熱感や売られ過ぎを知るのに、株式市場の時価総額を名目GDPで割った数字をみるというアプローチがあります。世界で最も有名な投資家であるウォーレン・バフェットにちなんで「バフェット指標」といわれることがあります。
では、日本の株式市場の時価総額はどの程度なのでしょうか。
日本取引所グループによれば、2018年11月30日の東証一部の株式時価総額は620兆6579億円。11月末からTOPIXが15%程度下落していることから、現時点の株式時価総額は527兆5600億円程度ではないでしょうか。
一方、日本の名目GDPはどの程度かというと、546.7兆円(季節調整済ベース)。GDP統計は過去データということもありますが、そのデータをそのまま活用すれば、バフェット指標は100%を下回り、96%程度となります。
バフェット指標はサブプライムローン時には110%を若干下回る水準、またアベノミクス時には110%を大きく超えていましたから、現在の株価が下落した水準は大きく調整したと言えます。
では、バフェット指標は最悪の場合どの程度まで落ち込むのでしょうか。
リーマンショック級の調整でのバフェット指標
では、リーマンショック級の株価の暴落が起きればどこまでバフェット指標は落ち込むのでしょうか。
過去、ITバブルの崩壊、リーマンショック級の調整ではバフェット指標は約50%にまで落ち込みます。こうした状況は後から振り返れば、「売られ過ぎ」をいうことが言えるのですが、そうした状況が起きることもまた、過去のデータが物語っています。
「TOPIXがボトムの800ポイントとピークの1800の中間の1300ポイント程度で止まってくれないかなぁ」という期待もあるかと思います。ただ、過去のサイクル(循環)を見ていると、そうした投資家の期待とはことなり、中間地点で留まりしばらく横ばってくれるような都合の良いものではありません。
株式投資もいよいよ冬の準備が必要な時期かもしれません。