離婚するカップルが珍しくなくなってきたとはいえ、できれば夫と添い遂げたいと思うこともありますよね。世の中には熟年夫婦もたくさんいますが、彼女たちは運よく相性のいい人に出会えただけなのでしょうか。たまたま性格や価値観が一致する男性に巡り合えただけ? いえ、そんなことはないはずです。夫婦が長続きするための秘訣を、結婚歴10年以上のみなさんに聞いてみました。

話し合いは相手の意見を聞く姿勢で

まずは、結婚歴10年のAさんのエピソードです。

「うちの夫は、とにかく怒らない人なんです。私が怒っても言い返してくることはなく、ほとんどケンカにもなりません。初めは優しい人だと思っていたのですが、子どもが生まれてから『単に興味がないだけなんじゃ…? 真剣に向き合うのが面倒なだけでしょ』と思うようになりました。何かを話し合おうとしても、はぐらかされることも多くて。気がついたら『ハッキリしてよ』とか『どうしてあなたは!』と責めてしまったり、怒って夫を無視したりするように…」

次第にピリッとした空気になる日も増えてきたそうですが、あることをきっかけに夫に対する態度を変えてみたそうです。

「『無視をする人や攻撃的に相手を責める人は、相手と向き合おうとしていない』という話を聞いて、ハッとしたことがあったんです。あぁ、私と夫は違うタイプに見えて、実は同じなんだなって。ふたりとも根本は臆病で傷付くのが怖いんです。それに私の場合、話し合いも夫の考えを聞くというより、私の意見に同意してもらうこと前提だったので…。そりゃ向き合ってもらえませんよね」

夫婦になると、子どものことや家のこと、たくさん決断しなければならないこともありますよね。そこでよくやってしまいがちなのが、話し合いと称して相手に自分の意見をプレゼンしてしまうこと。本音では自分の意見が正しいと思っていて、端から相手に納得してもらうつもりで話し合いをはじめていませんか?

離婚理由にもよく挙がる「考え方の不一致」は、こういう些細なことから始まるのかもしれません。自分とは違う意見でも、どうしてそう思うのかじっくり聞くことも大切ですね。

また夫婦の関係では、正しいこと、白黒はっきりさせることが必ずしも正義にはならないことも。正しさは人を傷つける場合もあると心得て、曖昧に流す場面も必要なようです。

ふたりで楽しめる時間を持つ

子どもが大きくなって手を離れると、自分の存在価値がわからなくなるという話も聞きますよね。誰にも感謝されない家事をひたすらこなす毎日にうんざりする人もいるようです。

結婚歴15年のBさんも、以前は老後が不安だったんだとか。どうやって解消していったのでしょうか。

「料理や掃除だってやりがいはあるけど…いくら家族のためとはいえ、やって当たり前のような顔をされるとむなしくなることも。子どもが小学生になった頃から、子どもがひとり立ちした後、ひたすら夫の世話をする自分を想像したら嫌になって。何のために結婚したんだろうって思うようになりました。このままでは熟年離婚まっしぐらだなぁと思って、夫に『ふたりで陶芸教室に通ってみない?』と提案してみることに。同じ楽しみを見つけたことで会話も増えたし、教室で作った湯飲みでお茶を飲む時間も楽しみになりました」

べったり一緒にいると疲れることもあるので、お互いの時間を大切にしている夫婦も多いかもしれませんね。それも必要なことですが、ひとりで過ごすことに慣れてしまうと、子どもが大きくなったときに「あれ、夫(妻)っていなくてもいいんじゃ…」と結婚している意味が見いだせなくなってしまうことも。年をとっても続けられるような、ふたりの楽しみを見つけるのもいいかもしれませんね。

視点を変える

最後に、結婚歴30年のCさんのエピソードです。