3. 【参考】70歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額どれくらい?
参考までに、70歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額の割合を、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」から確認していきましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
70歳代・おひとりさま世帯における貯蓄額の割合は、以下のとおりです。
3.1 「70歳代・単身世帯」の貯蓄割合
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
70歳代のおひとりさま世帯で「金融資産非保有=貯蓄ゼロ」の割合は全体の27.0%にのぼります。
一方で、貯蓄が1500万円以上ある世帯も26.7%と、ほとんど同じ割合となっています。
70歳代・おひとりさま世帯の貯蓄額の平均値と中央値も見てみましょう。
3.2 「70歳代・おひとりさま世帯」の貯蓄額(平均・中央値)
- 平均値:1634万円
- 中央値:475万円
平均値と中央値の乖離が大きいことから、資産がある人とそうでない人の二極化の傾向が見られます。
上記の結果からも、多くの資産を蓄えている人はそう多くありません。
そのため、できるだけ早い段階から老後に向けた資産形成を進めることが重要だと言えそうです。
4. 家賃の負担に備えた資金計画を
今回は日本における借家の家賃の推移や、高齢者世帯の住まいについて見てきました。
高齢単身世帯における借家率は32.2%となっており、老後も賃貸住宅で暮らす高齢者が一定数存在することが明らかになっています。
一方で、借家の平均家賃は5万9656円と、2018年から7.1%上昇しています。
老後の暮らしに不安を残さないためには、家賃の負担に備えた資金計画や、長期的な資産形成が求められるでしょう。
まずはご自身の老後に必要な費用を試算して、無理のない範囲でコツコツ貯蓄習慣をつけるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」
- PRTIMES「賃貸住宅では「家賃の安さ」よりも「広さ/間取り」を重視する人の割合が顕著に増加 ハウスコム株式会社が「2025年度“部屋選び”に関する調査」を実施」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
中本 智恵