いま社会問題になっている「ながらスマホ」。非常に危険な行動であり、接触事故になれば相手にも大きな迷惑やケガを負わせてしまうことになります。実際に自転車運転しながらスマホ操作していたことにより、相手が重症になったり損害賠償を命じられるといった事例もあります。
このようなことが起これば、自分や家族、被害者の人生も大きく変えてしまう可能性があります。今回は「ながらスマホ」で起こった事例から対策まで見ていきましょう。
1. 【全体の約5割が19歳以下】年々増加する「ながらスマホ」運転の自転車事故
「ながらスマホ」運転による自転車の重大事故は、どれくらい起きているのでしょうか?
まずは、警察庁交通局が令和7年2月27日に発表した「令和6年における交通事故の発生状況について」、ここ数年の「ながらスマホ」運転による自転車事故の件数をみてみましょう。
※「ながらスマホ」運転とは、停止状態を除き自転車の運転中に携帯電話やスマホで通話したり、画面を注視したりすることです。
【令和6年】「ながらスマホ」運転自転車関連死亡・重傷事故件数
※( )内の数字は死亡事故件数
- 画像目的:25件(1件)
- 通話目的: 3件(0件)
ここ数年の「ながらスマホ」運転による自転車事故の件数について、注目すべきポイントを2つにしぼって解説します。
1.1 ポイント①令和6年は「ながらスマホ」による事故が過去最多の28件に
自転車運転中のスマホ使用による死亡・重傷事故は年々増加傾向にあり、令和6年は過去最多の28件。うち25件が画面注視中と、スマホを見る行為が事故の大半を占めています。
1.2 ポイント②「通話」よりも「画面の注視」が圧倒的に多い
通話中の事故は近年では数件にとどまる一方で、画面を見ていたことが原因の事故が圧倒的に多く、危険性が高いことが明らかです。
また、「ながらスマホ」運転によって重大な事故を起こす人はどの年代に多いのでしょうか?
「ながらスマホ」による自転車の死亡・重傷事故は、19歳以下が63件で全体の55.3%を占めています。
さらに20歳代を含めると、約75%が29歳以下の若年層に集中していることがわかります。
年齢が若いほどスマホ使用中の自転車事故が起きやすく、家庭や学校での注意喚起が求められます。