現代の新卒採用は初任給のアップなど、待遇のよさをアピールすることが増えています。各企業が知恵を絞りながら、人材の確保や育成を試みています。

一方、バブル崩壊後の就職活動は厳しいものでした。この期間に就職活動した人々は「就職氷河期世代」と呼ばれ、現在も雇用や収入が不安定ななかにあります。

こうした人々を支援するため、国では就職氷河期世代向けの国家公務員採用を2026年に再開する見込みです。就職氷河期世代の国家公務員採用は過去にも実施されています。この記事では、就職氷河期世代の国家公務員採用の概要と過去の実績を見ていきます。

1. 就職氷河期世代向けの国家公務員採用試験とは?

国では、2024年度まで就職氷河期世代向けの国家公務員採用試験を実施していました。2024年度の試験概要は、以下のとおりです。

  • 受験資格:1966(昭和41)年4月2日~1986(昭和61)年4月1日に生まれた者
  • 職務区分: 事務区分及び技術区分・刑務官区分・入国警備官区分
  • 1次試験:筆記試験
  • 2次試験:面接試験
  • 採用予定人数:174人

2024年度は、7月に申し込みが始まり、1次試験が10月27日、2次試験が12月4日〜16日、合格発表が12月23日でした。

この採用試験は2020年度に開始され、以後2024年度までの5年間実施されました。2025年度は実施が見送られましたが、2025年6月の閣僚会議にて、2026年度からの試験再開が決定したのです。

引き続き、中途採用により就職氷河期世代を積極的に採用することも明記されており、実力がありながらも雇用に恵まれてこなかった人々を救う対策を講じています。

次章では、2020年から始まった中途採用試験の実績を見てみましょう。