2. 老齢年金生活者支援給付金の支給金額
老齢年金生活者支援給付金は、基準となる金額と、保険料納付済期間や免除期間によって決定します。具体的な計算式は、以下のとおりです。
2.1 老齢年金生活者支援給付金
以下の計算式で算出した金額の合計額
- 保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1551円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月
2.2 補足的老齢年金生活者支援給付金
5450円×保険料納付済期間 / 被保険者月数480月×調整支給率(※)
※調整支給率は以下のとおり
- 昭和31年4月2日以後生まれ(88万9300円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円
- 昭和31年4月1日以前生まれ(88万7700円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円
基準額は、保険料納付済期間に基づく期間が5450円、保険料免除期間に基づく金額が1万1551円です。基礎年金の加入月数480ヵ月のうちの保険料納付月数や免除月数の割合を基準額に掛けて、給付額を算出します。
たとえば、保険料納付済月数が360月、免除月数が120月ある場合、給付額は以下のとおりです。
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5450円×360/480=4088円
- 保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1551円×120/480=2888円
- 合計:4088円+2888円=6976円
保険料免除期間に基づく金額のほうが基準額が大きいため、免除月数が多いほど支給される金額は増えます。最低給付額である5450円でも、年間で6万5400円の給付金が受け取れます。
2.3 平均支給額は「年間5万円」
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢年金生活者支援給付金の平均支給額は月額4014円です。年間で4万8168円と、約5万円が支給されています。
金額は決して大きくはありませんが、月あたりに使えるお金が増えるのは、生活に苦しむ年金世帯にとっては大きなメリットといえるでしょう。
次章では、老齢年金生活者支援給付金の受け取り方を紹介します。