「老後の資金をしっかりと貯めている」「老後の資金に不安はない」という方は、はたしてどのくらいいるのでしょうか。

厚生労働省によると、2017年の日本人男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.26歳。日本が超長寿社会の道をひた走る中、政府は「人生100年時代構想」を打ち出しています。そこで問題となるのが老後を過ごすためのお金です。老後資金の目安はどのくらいなのでしょうか。

まずは出ていくお金と入ってくるお金を計算しよう

老後のためにどのくらいのお金を貯めておけばいいのか、老後の収入と支出で算出してみます。

老後の収入

まず、老後の収入を年金だけと仮定します。厚生労働省が定めたモデル世帯では、2018年度の場合1カ月で22万1277円もらえることになっており、1年では265万5324円となります。ちなみにモデル世帯とは「夫は平均賃金で40年間勤務、妻はその間専業主婦」の2人世帯を想定しています。

老後の支出

総務省統計局が行った2017年の家計調査によると、「世帯属性別の会計収支(2人以上の世帯)」のうち、世帯主の年齢が60~69歳の世帯では1カ月平均の支出額は29万0084円。年間では348万1008円の支出となります。

また、生活保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2016年度)によると、旅行やレジャー、趣味を楽しめる「ゆとりある老後生活」を送るためには、1カ月平均34万9000円が必要というデータもあります。

年金以外にいくら必要?

仮に、1カ月で22万1277円の年金収入がある世帯が1カ月に29万0084円の支出をした場合、毎月6万8807円が不足します。1年では82万5684円の赤字なので、65歳から90歳までの25年間では2064万円2100円が年金以外の収入として必要ということになります。

仮にゆとりある老後を送るとした場合、22万1277円の収入から34万9000円の支出を引くと12万7723円の赤字が毎月発生します。年間では153万2676円不足するので、25年では3831万6900円が年金以外に必要となります。

定年後も働くというのも一つの手段