2. 【生活保護】「冬期加算」はあるけれど《夏季加算》はある?

生活保護は最低限必要とされる金額を支給するものですが、世帯により状況が異なるため不足するケースがあります。

受給者の状況により支給額を調整するために、生活扶助において以下のような加算項目が設けられています。

  • 冬季加算
  • 妊産婦加算
  • 障害者加算
  • 介護施設入所者加算
  • 在宅患者加算
  • 放射線障害者加算
  • 児童養育加算
  • 介護保険料加算
  • 母子加算

これらのうち「冬季加算」は、冬季の暖房費などが増える時期に、その費用を補うために支給されるものです。

支給額は地域区分や級地区分、世帯人数によって調整されます。冬季加算の地域区分は以下の通りです。

加算対象となる期間は、Ⅰ区からⅢ区は10月から4月までの6ヵ月間、Ⅳ区からⅥ区までは11月から3月までの4ヵ月間です。

2.1 生活保護費には「夏季加算」はない?

冬季加算があるのなら夏季加算もあるのではないかと思う方もいるでしょう。

しかし、2025年6月現在において、夏季加算は行われておりません。

とはいえ、夏場のエアコン使用による電気代の負担が増加していることや、冬季加算があるのに夏季加算がないのは不平等だとする考えもあることから、夏季加算の必要性を訴える声も出ています。

熱中症対策にもエアコンの使用は欠かせませんが、電気代の負担が大きいと我慢してしまい、救急搬送などのリスクが高くなることが考えられます。

今後の夏季加算の対応に注目したいところです。

3. まとめにかえて

生活保護を受けるには支給要件を満たす必要があり、生活扶助や住宅扶助など、必要な扶助の合計額が支給されます。

また、世帯状況に応じて加算されるものがあり、その中に「冬季加算」がありますが、現時点において「夏季加算」はありません。

しかし、冬場の燃料費と同様に夏場のエアコン使用も大きな負担となっていることから、今後どのような対応になるのか、最新の情報をチェックしましょう。

参考資料

木内 菜穂子