3. まとめにかえて
標準報酬月額は毎年7月に見直され、保険料や将来の年金額を左右する重要な基準です。現在の分布を見ると、多くの人は30万円前後に集中していますが、制度上の上限を超えると報酬差が反映されにくくなっています。こうした課題をふまえ、厚生年金の上限が2027年から段階的に引き上げられることになりました。これにより、これまで年収が高くても年金額が頭打ちだった人の受給額が増える可能性が出てきました。ただし、その分、保険料の負担も増えるため、手取りが減ることを懸念する声もあります。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の概要」
- 日本年金機構「厚生年金保険料率/一般・坑内員・船員の被保険者の方(令和7年度版)」
- 国税庁「社会保険料控除」
村岸 理美