1.1 「ボリュームゾーンはどこ?」標準報酬月額

現在の標準報酬月額は8万8000円から65万0000円まで32段階に分かれています。

厚生年金と健康保険の標準報酬月額分布を見ると、いずれも30万円前後に“山”があり、被保険者のボリュームゾーンは共通しています。ただし、健康保険の方が報酬区分がより細かく、上限も厚生年金(65万円)より高い139万円まで設定されています。そのため、高所得層においては健康保険の方が実際の報酬差をより正確に反映できる仕組みとなっています。一方、厚生年金は上限を超えると一律で「65万円」とみなされ、報酬の差が年金額に反映されにくくなっているのが現状です。こうした背景もあり、6月に成立した法律によって、この上限がさらに引き上げられることになりました。ちなみに、厚生年金の上限である標準報酬月額65万円以上の割合は被保険者(男性)の約9.6%にあたる約243万人とされています。