8月は年金の支給月です。標準的な夫婦の場合、およそ46万5000円が支給されます。この金額を見て、「なぜこの額なのか」と疑問に感じた方もいるかもしれません。

この記事では、公的年金制度の二階建ての仕組みをわかりやすくおさらいしながら、この金額の背景についても解説していきます。

さらに、記事の後半では6月に成立した「年金制度改正法」の内容にも触れ、遺族厚生年金の見直しについても紹介します。

年の後半に入ったこのタイミングで、家計や将来の生活設計を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

1. 日本の公的年金のしくみ

日本の公的年金のしくみをおさらいしましょう。

日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。

国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料(※1)は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料(※2)を納めます。

国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳から満額(※3)を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。

そんな中「標準的な夫婦世帯」は8月の年金支給日に「約46万円」支給されます。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円