厳しい残暑が続いており「エアコンの電気代が気になる」という方も多いのではないでしょうか。

近年の物価上昇で、家計の見直しや将来に向けた資金準備への関心が高まっています。

そこで今回は、シニア世帯の「平均所得や内訳」「平均貯蓄額」に注目し、毎月の生活費や公的年金の平均月額について解説します。

また《健康寿命と平均寿命の差》についても、グラフでわかりやすくご紹介します。

ご自身やご家族の「老後の生活」について考える際に、ぜひ参考にしてください。

1. 【高齢者世帯】平均所得の3分の2を占める「公的年金」《平均所得・内訳》はいくら?

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の「1世帯あたりの平均所得金額」を見ていきましょう。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

1.1 高齢者世帯の平均所得金額

(カッコ内は総所得に占める割合)

総所得:314万8000円 (100.0%)

【内訳】

  • 稼働所得:79万7000円(25.3%)
    • うち雇用者所得(※):66万5000円(21.1%)
  • 公的年金・恩給:200万円(63.5%)
  • 財産所得:14万4000円 (4.6%)
  • 公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1万8000円 (0.6%)
  • 仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得18万9000円(6.0%)

高齢者世帯の平均総所得は年314万8000円、月額に換算すると約26万円です。

主な内訳は、所得の3分の2を占める月額約16万6000円の「公的年金」と、約2割を占める月額約5万5000円の「雇用者所得」です。

この所得構成からは、高齢者世帯の生計が公的年金をベースとしながら、主に仕事による収入で補われている様子がうかがえます。

雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含む